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【コラム】注文住宅の工法にはどんな種類がある?それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットをご紹介!

2024年05月03日



注文住宅を建てる際に、デザインや間取りプランに気を向けがちですが、家づくりにおいて工法も大切な要素の一つです。注文住宅を建てるときの工法には、木造軸組(在来)工法、2×4(ツーバイフォー)工法、木質系プレハブ工法、鉄骨系プレハブ工法、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造、ユニット工法などがあります。どれが良い・悪いということはないですが、工法が異なれば性能やデザイン、建物の規模に大きく影響したり、それぞれの工法にはメリットやデメリットがあります。そのような違いを正しく理解するために代表的な工法について覚えておきましょう。

 

木造軸組工法(在来工法)




木造軸組工法は、日本の伝統的な工法の一つで、在来工法とも呼ばれています。柱や梁といった軸材を渡して骨組みを構成し、筋交いと呼ばれる斜めの材で補強するのが特徴です。近年では連結部分に金具を利用してさらに強度を高めています。


木造軸組工法のメリット


在来軸組工法の一番の魅力は、間取りや設計の自由度が高いことです。狭小地や変形地に対応しやすく構造上、重要な柱などを残しておけばリフォームや増築にも対応しやすいのも、長く住み続けることを考えると嬉しいポイントです。また、他の工法よりもコストが抑えられるメリットもあります。伝統的な工法のため、対応できる工務店・ハウスメーカーも多く、会社選びの幅も広がります。


木造軸組工法のデメリット


近年では、工場での木材プレカットが進んでいます。しかし、従来の現場で組み立てていく方式では、仕上がりが工務店や大工職人の技術や熟練度に左右されやすい性質があります。また、システム化された工法に比べ工期が長くなりがちです。その他、木材の弱さが耐久性に影響するのもデメリットの一つでしょう。湿度が高く結露が起きやすい環境下では腐食したりカビが発生するリスクがありますし、シロアリが発生することも考えられるので、定期点検をして早めの対処が必要になります。



2X4工法(ツーバイフォー工法)




北米から日本に輸入された工法で耐震性や耐火性に優れ、その生産性の高さから近年シェアを伸ばしています。床、天井、屋根の面全体で躯体が構成されます。木造軸組のような柱と梁ではなく、壁で支える構造なのが特徴です。


2X4工法(ツーバイフォー工法)のメリット


寸法や釘などが規格化されており、工場でベースを生産しています。そのため、現場で組み立てる際に、職人さんの力量に頼らず安定した品質の家が建てられ、工期も短めとなります。また、がっちりとした箱型の構造により耐震性能に優れており、その耐力は木造軸組工法の1.5~2倍とも言われます。断熱性・気密性も高く、耐火性能にも優れています。


2X4工法(ツーバイフォー工法)のデメリット


面で支える構造のため、基本的に長方形をベースとしています。そのため、角に開口部を広く取ることができないなど、間取りの自由度が低くなりがちです。リフォームや増築の際も壁を抜くことなどはできず、制約が多くなるため注意が必要です。また、一般的になりつつあるとはいえ、施工できる住宅会社や工務店は限られてしまいます。高気密・高断熱であるがために、結露が生じやすいこともあるので、カビやダニへの対策も必要になります。



木造ラーメン工法




ラーメン工法は、長方形に組まれた鉄骨を溶接などで一体化させ、枠(ラーメン)を形成する工法です。このラーメン工法を、接合部に鋼板やラグスクリューボルトを用いることで木造でも実現したのが、木造ラーメン工法です。


木造ラーメン工法のメリット


枠部分を組むことで壁や柱を少なくすることができるため、木造でも大空間を作ることができます。3階建てにもしやすいメリットがあり、これまで鉄筋造りでしかできなかったことが、木造住宅で可能になるという大きな強みがあります。また基本となる柱は残りますが、大きな窓が設置できたり、室内の間取りの自由度が高いのも特徴です。構造を支えるための壁は必要ないため、将来大きなリフォームが必要になった場合にも、比較的容易に対応することができます。


木造ラーメン工法のデメリット


木造ラーメン工法では、柱や梁の接合部に鋼板、鋼棒などを用いますが、地震などで横揺れが生じた場合に接合部に力が集中してしまうので、一定以上の力が加わると損傷してしまう可能性があることがデメリットです。また、木造軸組やツーバイフォー工法よりも浸透してないため、どんな施工会社でも対応できるわけではありません。建築コストも、鉄筋コンクリート造りよりは安くなっても、一般的な木造住宅としては価格は高めになることが一般的です。



鉄骨造




鉄骨系の部材で建物を支える構造で、使用する鉄骨の厚さが6mm未満の場合を軽量鉄骨造、6mm以上の場合を重量鉄骨造といいます。軽量鉄骨造は柱や梁、筋交いなどの構造体に軽量鉄骨を用いており、鉄骨軸組工法ともいいます。大手ハウスメーカーでも多く採用され、一般住宅やアパートなどでよくみられる工法の一つです。重量鉄骨造はマンションや3階建て住宅などに多く採用されます。


鉄骨造のメリット


水分や種類によって差の出る木材に比べ、鉄骨は品質が一定で安定しています。特に、鉄骨ユニット工法であれば、工場である程度仕上げたものを現場で組み立てるだけなので、仕上がりも安定し工期も短く済みます。白アリの心配もないので、耐久性についても安心です。木材よりも強度が高いので、開口部も作りやすく、大きな窓や空間づくりが可能になります。


鉄骨造のデメリット


鉄骨造りは頑丈である一方で、木造に比べると加工に手間がかかり、建築費用が高くなることがデメリットになります。また加工のしずらさは、間取りの自由度の無さにもつながるため、木造軸組工法のような柔軟性はありません。また鉄は熱伝導率が木材よりも高いため断熱性能は低くなります。また金属なので、適切に防錆処理をしないとサビが付きます。住宅建築の場合は断熱や防錆は必ず行われますが、そのような点でも建築費の増加につながります。


鉄筋コンクリート造




鉄筋コンクリート造は、柱や梁などの主要な構造部の骨組みを鉄筋で組み、周囲を型枠で囲んでコンクリートを流し込んで作る工法で、RC造(RC=補強されたコンクリート)とも言います。柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」と、床・天井・4面の壁の計6枚の耐力壁で建物を支える「壁式構造」とがあり、壁式構造は低層階の建物に向いています。主にマンションやビルなどで使われる工法ですが、型枠ができれば様々な設計に利用できるので、建築家による独自性ある設計の家や高級住宅で多く採用されています。


鉄筋コンクリート造のメリット


何と言っても耐震性の高さが魅力となります。面で支える構造なので、地震による負荷を分散してくれます。またコンクリートは、外気や湿気などから鉄筋がさびるのを防いでくれるので、耐久性も木造に比べると高くなっています。熱に強いコンクリートにより耐火性も高いので、火災保険料も抑えられるというメリットもあります。そのほか、高気密・高断熱で光熱費の節約ができたり、遮音性が高いのもコンクリートならではでしょう。


鉄筋コンクリート造のデメリット


高性能な魅力の多い鉄筋コンクリート造ですが、その分建築コストは高くなります。また、気密性が高いことで結露やカビなどが発生する恐れもあり、換気システムなどの対策も必要です。木造に比べて丈夫で重さがある分、地盤に改良が必要な場合もあります。また、現場での作業がメインとなる工法なので、住宅会社によって仕上がりにばらつきが出たり、天候に左右されて工期が延びることもあらかじめ理解しておく必要があります。


建てたい家に合わせて工法を選ぼう




さまざまな工法があることは分かったけど、家づくりの条件は人ぞれぞれでしょう。

・どんな家にしたいのか
・予算はいくらにするのか
・希望の時期までに入居できるのか

など自身の理想の家に最適な工法を検討してみましょう。


できるだけ予算を押さえたい」場合は


木造住宅は材料費が抑えやすいため、木造軸組工法や2×4工法がおすすめです。多くの工務店やローコストハウスメーカーで採用されているので、複数社に相談して、比較検討しても良いでしょう。


高気密・高断熱の家にしたい」場合は


2×4工法の家は、壁が建物を支える形で箱形になっているので、気密性・断熱性が高まります。さらに厚い壁が可能となる2×6工法、2×8工法なら、より断熱性能を高めることができます。


大開放の広い部屋が作りたい」場合は


重量鉄骨造なら、柱と梁がきっちり溶接されており、頑丈でも壁に頼る構造ではないため、大開口が可能です。広いリビングや大きな窓を設置したいならおすすめです。



まとめ




注文住宅を建てる際は、工法によって、耐震性や間取りの自由度、建築コストなどそれぞれ特徴が異なることがお分かりいただけましたでしょうか。このような工法の種類を知らずに家づくりを始めると、理想のマイホームの形からかけ離れたものになってしまうかもしれません。そのため、工法の種類について、知っておくことは非常に大切です。

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